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Atmoph Staff Blog - 古都に佇む宇宙構造(ビデオエディター:河野)

ビデオエディターの河野です。

祇園から清水寺に向かう半ばに登場するこのシンボリックな建造物「八坂の塔」(法観寺) は、京都観光の宣材として、やや使い古された印象すらある大定番のロケーションなのですが…
重厚な層の質量感ながら(近づくと本当に思ったよりでかい)、整然とした瓦葺きの佇まいには無駄がなく、確かにいわゆる「古都の美意識」を体現しているかのようです。

実は数年前までこの塔が見える近隣某所で働いていた私にとっては、いくらか思い出深い風景ともいえます。(今も歩いて行けるような場所に住んでいますが)

ふと当時を振り返ると、10年も経たないうちの時代の変容に驚いてしまうのですが、
昼夜を問わずよく働き、人が嫌がる雑務ほど率先して奪い合っていたあの頃の職場のメンバーを思い返しては、心から尊敬するとともに、今やあんな働き方は難しい世の中になったものだなと複雑な懐かしさを覚えます。

それから思い出すのが、塔からすぐの清水寺へ続く狭い坂道に、果てしなくタクシー群が連なり、その隙間を縫うように多国籍の人々がひしめき合い、大通りには満員のバスを見送る長い行列。

世界中から旅人が集結する日本有数のオーバーツーリズム地帯だったこのエリアは、コロナで最も影響を受けた観光地の1つであり、今後インバウンドの回復に向けてどんな変革を遂げるのか、今はそんな関心を集めているところかもしれません。

八坂の塔は、その京都東山においてランドマークとなる五重塔ですが、興味深いことに、仏教的に五重塔の構成は 地、水、火、風、空 を意味する宇宙観を表しているそうです。

騒がしい時流の混乱もただ受け入れて、そこに在り続ける存在感。
改めてカメラを向けると、静かな早朝の街に浮かぶシルエットは、なるほど宇宙、と不思議な説得力を感じさせる気がするような、そうでもないような?

お馴染みの場所も少し見方を変えると、謎めいた一面が垣間見える、
知れば知るほどわからない宇宙のように、複雑な文化の多面性が、京都が人を引きつける理由の1つかもしれません。

これから先、よりよい形でまた多くの人にその魅力が伝わる道筋に向かってもらえればと願います。

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