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大手IT企業から新聞社にあえて転職。10年後を見据えたエンジニアの合理的な生存戦略とは?

 より最先端の企業に転職したい。エンジニアなら誰でも抱いている希望かもしれませんが、あえて逆の選択した人がいます。しかも「今後の自分のキャリア形成のために必要だ」というとても前向きな理由です。某大手メディアプラットフォームのフロントエンドのエンジニアだった西島 寛さんはいま、朝日新聞デジタルのフロントエンドの技術刷新のプロジェクトを担当しています。入社数カ月でスクラムマスターを任され、チームをリードする西島さん。「10年後に自分が生き残るためには、自分のキャリアをマーケティングしなければ」という思いと、今の仕事や環境について聞きました。

経歴・転職理由について

- 現在のポジションと仕事内容を教えて下さい。

 朝日新聞社に入社し、朝日新聞デジタルの開発を担う部門で働き始めて1年4カ月目です。入社して4カ月で朝日新聞デジタルのフロントエンド刷新プロジェクトのスクラムマスターに選ばれました。「僕で良いのかな?」と思いましたが、ぽんと任せてくれました。

 もともと朝日新聞デジタルのフロントエンドはバージョン管理やユニットテスト、CI/CD環境などがない状況でした。その環境をモダンな形に刷新して、足りないピースを埋めていくプロジェクトを進めています。

- 西島さんが朝日新聞社に入社されるまでの主な経歴を教えて下さい。

 ずっとエンジニア畑で働いています。学生時代から開発のアルバイトをしており、新卒で某大手メディアプラットフォームを運営するIT企業にエンジニアとして入社しました。トータルで15年ほどエンジニアとして働いており、最後の数年間はエンジニアマネージャーでした。


プロジェクトのローンチの日の光景。久しぶりに出社してくす玉を割りました


- フロントエンドのエンジニアとして、朝日新聞社を転職先に選ばれたのは、なぜですか。

 自分のキャリアを考える上でエンジニアとしての「幅を広げる」必要性を感じていて、面白いことにチャレンジしたかったから転職しました。今はDXがキーワードになっており、非デジタルの事業会社において強く求められています。エンジニアとしてはインターネットの事業会社は開発環境が整っているので働きやすい側面もありますが、非デジタルの事業会社は逆に整っていないからこその面白みがあると思っていました。実際入社してみて、これは半分は当たっていたと思います。

 外れた半分は、良い意味で既に開発の環境面が整っていたことです。一般的な開発ツールが使えないような制約はありません。古い企業は開発に対してがんじがらめと聞いていたのは都市伝説でした(笑)。これは今まで社内で地道に取り組んできてくれたみなさんのおかげで、非常に良いタイミングで入社できたと思っています。GitHub、Confluence、Jiraなど普通に使っています。

- 非デジタルの事業会社で得られるエンジニアのキャリアパスはどんなものでしょうか?

 自分はエンジニアらしいキャリアを歩んでいますが、組織変革に対してエンジニアのスキルをベースに関わることができる経験は貴重だと思っています。元々純粋にスキルだけが高い技術者を志向しているわけではなく、人材育成や組織運営など、複合的に事業へ関わるキャリアを意識していました。10年後、40代半ばになった時、技術だけのキャリアで必要とされるのはトップスキルを持つ層だけで、そのとき自分は生き残れない、自分のキャリアをマーケティングできなければならないと思っていました。いまはDXがバズワードになっているタイミングです。前職のようなデジタル企業での経験だけではなく、非デジタル企業が本気のデジタル化に取り組んだ際の経験が、エンジニアとして求められる時代だと考えています。

- 非デジタル企業の中でも新聞社を選ばれた理由はありますか?

 前職でもメディアサービスに長く携わっていて、メディアの仕事が基本的に好きでした。また、エンジニアとしてブラウザ技術が一番好きということもあります。ブラウザ上のネットメディアは、誰でも等しく簡単に読める民主的な良さがあると思うんです。アプリだとOS等の縛りがありますが、ブラウザなら敷居が低くて誰でも読める。

 その二つの要素を掛け合わせたときに、朝日新聞社ならフロントエンドのエンジニアとしてブラウザ技術を使ったメディアのビジネスに深く関われると考えました。



カルチャーについて

- 入社してみて、朝日新聞社のカルチャーはどんな印象でしたか?

 とにかく、自由だと思います。就業時間もフレキシブルにできますし、使用するツールもボトムアップで選定できます。前職では社内で使うツールについて厳格に統制をとっていたので、新しいものが使えず不便な思いもしました。

- どのようなバックグラウンドのエンジニアが多いのでしょうか。

 やはり新卒生え抜きの方も多いのですが、思った以上に色んな企業から転職してきています。上司は某ECメガベンチャー出身のエンジニアです。プロジェクトでは経験豊富なフリーランスのエンジニアの方の力も借りています。今もエンジニアを積極採用しているので、今後も色々なバックグラウンドの方が増えていくと思います。

 人が良い、親切な人が多いサポーティブな環境で、上の役職の方もフラットに接してくれるので仕事がやりやすいです。

- 現在(2021年3月)は、リモート勤務で開発を進めていますか? 朝日新聞社と聞くと社内交流、対面のコミュニケーション重視のウェッティな社風をイメージする方も多いと思うのですが、実際にはどうですか。

 今はチームメンバー約10人がフルリモートで働いています。プロジェクトが切羽つまったときやチームの健康状態を把握したいときなど、リアルで集まれたほうが楽だなと思う局面も正直ありますが、コロナのこの状況なので、挑戦の一環としてフルリモートを試みています。

 なので、朝日新聞社のリアルでの社風は、残念ながらまだあまり実感できていません(笑)。新聞社って飲みニケーション的なものが結構あると思っていたのですが、その感覚も今のところはありません。


朝デジ事業センターカスタマーエクスペリエンス部の上司たちと

エンジニアへのメッセージ

- 朝日新聞社で得られる経験、スキルやメリットは、どんなものがあると思いますか?

 デジタル企業では経験できない異質な開発経験ですね。今あるものを、純粋に技術的に改善するだけではなく、現状の課題を把握して、どう解決して前進するかを考える。課題に対して、足りなかったり、そもそも存在しなかったりするシステムやパーツをどう補うべきかを考える思考力が問われます。

 編集局や様々な部署のデジタルネイティブでない方の、言語化できていない課題を技術で解決してあげるアクティブサポートのアプローチも求められています。これは非デジタル企業に入社しないとできなかった体験ですね。キャリアとしては、こういうことをやりたかったので満足しています。

- それでは最後に、どんなエンジニアに来て欲しいと考えているか教えて下さい。

 課題解決型の思考ができる方ですね。実効性のある技術をしっかり使って、どう現状の課題改善に活かしていくか考えて行動できる方が理想です。技術力だけを純粋に高めたい方というよりは、朝日新聞デジタルというメディアのビジネスに、技術を用いてどうインパクトを与えられるか、アウトプットを見据えて行動できる方にぜひ来ていただきたいです。

 「技術の力で朝日新聞社が変わった!」という成功体験を作って内外に伝えていきたいフェーズなので、アウトプットをどんどん出していく必要がありますし、それができる環境が整っていると思います。

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朝日新聞は1879年に大阪で創刊し、140年間にわたって日本の報道の一翼を担ってきました。 ITが進歩してメディアが激変期を迎える今、インターネット上でも確かな情報を届ける新しいメディアの形を一緒に模索し、作り上げていく仲間を募集しています。 朝日新聞社と聞かれると、レガシーな開発環境のイメージを持たれるかと思いますが、私たちは昨年に朝日新聞デジタルのiOS/Androidアプリの開発を内製化しました。今はWEBフロントエンドのモダン化と、バックエンドのマイクロサービス化にも着手しています。開発体制としては、チーム毎のスクラム開発を採用しています。 ポジションや雇用形態を問わず、新しいチームで活発に議論できる環境が特徴的です。
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