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レガシーメディアの実験場・withnewsで学んだ「新聞だけにこだわらない新聞記者」という生き方

朝日新聞社が運営するウェブメディア「withnews」。新聞記者が取材・執筆を担うという枠組みはそのままに、これまでにない報道のあり方を模索する場として、2014年7月に誕生しました。スマートフォン一台で世界中とつながり、インターネットを通じ社会の動きを追う若者世代に響くようなニュースを、日々配信しています。

私たちは今年、誕生から5年という節目を迎えることができました。月間平均5000万PVを記録するなど、多方面から厚い支持をいただいています。後押しの一つとなったのが、読者との双方向的なコミュニケーションを促す試みです。生活の中で抱いた疑問を寄せてもらい、記事で回答する「取材リクエスト」機能は、その代表例と言えるでしょう。

それだけではありません。公開後の記事についたコメントを踏まえ、見出しやサムネイル画像の内容をブラッシュアップする。取材の意図をSNS上で広く伝える。いずれもwithnewsのメンバーが大切にしているプロセスです。読者を単なる情報の受け手ではなく、ニュースの質を一緒に高めてくれる「パートナー」と位置づける。そのような姿勢を、いつも意識しています。

更に、ファンと直接語らいたいと、トークイベントも数多く開いてきました。人気ウェブライターやテレビ番組のディレクター、外見に症状がある人物など、ゲストの顔ぶれは多種多様です。参加者の中には、イベントへの参加を機に、媒体の熱心なサポーターとなってくださった方々も。企画に関わった記者たちは、「書く」以外の表現手段を持つことの意義を実感しています。

今日までの取り組みを、総括する機会がつくれないか。メンバー間で話し合った結果、設立5周年記念イベント「#ウニュトーク ココロを動かす情報発信 ~withnewsの5年間で見えてきたもの~」の開催も決まりました。女優・創作あーちすと「のん」さんを招き、「人の心を動かす情報発信」をテーマに、奥山晶二郎編集長と語らってもらう内容です。私が旗振り役となり、この文章を書いている日から約一週間後の本番に向け、準備を進めています。

私は元々、別のメディアの記者でした。当時抱えていた悩みが「記事を書いても、誰の心に届いているか分からない」ということ。その点withnewsは、書き手と読み手をつなげるプラットフォームであり、自分にとっては理想的な媒体です。個人の裁量が大きい分、経験のない仕事を任されることは少なくありません。だからこそ、「新聞だけにこだわらない新聞記者」としての毎日を、存分に楽しめています。

変化の激しい時代にあって、確かな知見を持つ新聞社の一員として、何ができるのか。これからも考え続けていきたいと思っています。(デジタル・イノベーション本部アライアンス事業部・神戸郁人)

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