暮らしの中で、できる!エシカル消費
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エシカル消費の種類
・エシカル消費とは一言でいうと…
地域の活性化、雇用なども含む、人や地球環境、社会に配慮した消費のこと。自然環境を損なわず、良くなる消費。社会において児童労働や労働搾取ではなく、助けを必要とする人々の支援を促進する消費。
地域社会、地域経済を損なわず、応援する消費。これらがエシカル消費です。
詳しくみて参りましょう。
1. 環境への配慮
リサイクルやアップサイクルの商品を買う、食品ロスを防ぐための消費行動、国産木材や間伐材を使う、自然エネルギーや再生可能エネルギーを使う。
2. 社会への配慮
フェアトレードの商品を購入する、障害を持った方々が作った商品を購入する。
3. 地域への配慮
地産地消、応援消費、伝統工芸。
「いつ、どこで、誰が、どうやって」を知る
私たちは街で生活をする中で、消費行動は欠かせないことです。
衣食住どれを見ても、自分たちで綿花を育てて糸をつむぎ布を織り衣服を仕立てるわけでもなく、作物を育てて自給自足しているわけでもなく、木を育ててその木で家を建てるでもない。それも多くは自分が住む場所以外のところ、国内のみならず多くは海外から遠路はるばる素材または製品としてやってきてくれてます。
大型スーパーで安く販売されている南アフリカ産のワインを例にあげます。現地の貧困層が使用する生活水はバケツ2杯までと制限されるほど水資源が枯渇していますが、ヨーロッパのワインメーカーがその上部に位置するぶどう農園のためにため池を作って水を堰きとめています。実は、ワイン1本をつくるためのぶどうの栽培に652ℓの水が必要なんです。ワイン1本を購入することは、上記の現地の方の2週間分の水を使用したことと同じことになります。これは、バーチャルウォーター(※1)という概念です。
あなたが着ている服は、いつ、どこで、誰が、どうやってつくったのかご存知ですか。実は、それを知ることが、社会問題の解決になるんです。製品の背景を知ることで、新たな選択が生まれると考えます。
持続可能な開発目標SDGsでも貧困や人権問題、気候変動などの問題を取り上げています。
これらの問題は、主に先進国の人々を満たすために大量生産、大量消費され、途上国の生産者から搾取されたり、地球の再生能力よりもはるかに早く資源を使い、環境が破壊されています。
エシカル消費には、認証マークがついた様々な製品もありますので探して見てください。
- オーガニックコットンマーク
- 国産材使用
- エコマークつき製品
- フェアトレード製品
- 動物福祉製品
- 省エネ、低炭素製品
- 持続可能な森林認証
- 持続可能な漁業認証
- 持続可能な鉱山から採掘された鉱物使用
- エシカル金融
- エコホテル
- 自然エネルギー
など
これらを意識した消費行動をするだけで、持続可能な開発目標SDGsの下記項目をカバーできる可能性があります。
- 貧困をなくそう
10. 人や国の不平等をなくそう
12. つくる責任 つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
「どこからきたか」を知ったら、「どこへいくのか」も知る
エシカル消費がわかってきたところで、ぜひ一緒に知っていただきたいことは「使ったあと」のことです。
コロナ禍に入り、ステイホームが長引き家庭ごみが増えました。時間ができたので断捨離したり、宅配サービスを利用して商品を購入したり、近所のレストランでも持ち帰りサービスや配達サービスが増えて便利になりました。
それらで出たごみは、一体どこへいくのでしょうか。みなさんの自治体の指示に基づいて、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみなどに分けますが、今回は持ち帰り弁当の容器、プラスチックごみに焦点を当ててみます。
マレーシア・ベトナム・台湾・タイ・韓国・中国・インド・インドネシア、これらの国々に共通することはなんでしょうか。
正解は、「プラごみ輸出国」でした。
上位5つの国だけでもこんなに輸出しています。
- マレーシア 26万t
- ベトナム 17万t
- 台湾 14.1万t
- タイ 6.1万t
- 韓国 5.4万t
プラスチック包装容器には、リサイクルマークが付いていることが多くなりました。でも実は、再利用されているものはごく一部で、日本の場合ほとんどが焼却処分もしくは海外に”資源”として輸出しているんです。
素材は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、塩化ビニル樹脂(PVC)とそれぞれ違うため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクル(※2)しにくい現状があることは一般的に知られていないです。
さて、その外国に輸出したプラスチックたちはどうなっていると思いますか。資源として活用されているでしょうか。上記の国名それぞれに「プラスチックごみ」と足して検索してみてください。多くは大量のごみが野ざらしに山積みになった写真が出てくると思います。
最終処分地になった土地は、貧困層が住む土地のことが多く、半永久的に消えることのないプラスチックごみで土地が埋まってしまった住民は、悪臭の中、再利用できる素材を大人も子どもも拾い集めて手作業でプラスチックペレットを再形成したり、自分たちの食事を作るための燃料として使用しています。もちろん防毒マスクもつけずに。また、赤道近くのアジア諸国に野ざらしになった包装プラスチックは燃えやすいため自然発火しやすく、たびたび火災になります。付近の住民はプラスチックの処分場になってから毒のある煙で健康被害が増えたとも言われてます。
マレーシア・ベトナム・タイ・中国・インドネシアは近年中にプラスチックごみの輸入はやめると宣言しています。プラスチックにおいて、世界全体では9%しかリサイクルされていません。
そして次は、アフリカの土地にも輸出している国が出てきています。
ファッションのリユース貧困地域支援先として、すでにアフリカには大量の衣類が輸入され、処理しきれずに沿岸に山積み、海に流れ込んでいる例もあります。ファッションは化学繊維の衣類も多いです。いいことをしているつもりでも、その先の本当のところを見極めて選択していきたいものです。
自然環境へも地球の裏側の人へも思いやりの心で
毎日の生活が忙しいと、私たちは目先の便利さに頼ってしまいがちです。
マイボトルやマイ箸を持って、持ち帰り弁当はマイタッパーにいれてもらう。服を買うときは、オーガニックコットンの服を買ってみる。代わりに手放す服はリユースに出してみる。自然エネルギーの電力会社に変えてみる。これも簡単にできることです。
でも実は一番楽に簡単にできることが1つあります。
それは、お掃除をエシカルノーマルに依頼することです。
エシカルノーマルは世界初の全方位エシカルなハウスクリーニング会社だからです。例えばエシカルノーマルが使う独自のバイオ洗剤は、人や環境に優しいものです。排水後もその先で水をきれいにし続ける夢の洗剤でもあります。
地球の資源は限られています。日頃から「人間は自然環境に生かされて生きている存在だ」という意識を持ち、またその地球に住まう一員として、みんなを家族のようにお互いを思いあって、必要な分だけ消費することです。
それができたら、わたしたちの子どもや孫の世代まで持続可能な まあるい社会 になるのではないでしょうか。そんな想像をしたらワクワクます。一緒に行いましょう。
※1 バーチャルウォーター
農産物・畜産物の生産に要した水の量を、輸入食料の背景に隠れた水資源を「見える化」する概念
※2 マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル
マテリアルリサイクルは廃プラをプラスチックのまま原料にして新たな製品を作ること。
ケミカルリサイクルは廃プラを熱やガスを使い、化学的に分解して原料などに戻してから再利用すること。両方に適さない廃プラスチックもある。ちなみに日本では3つめのリサイクルとして焼却した熱エネルギーを回収サーマルリサイクルとしているが、国際的にはリサイクルとみなされていない。
出典元:
- 一般社団法人エシカル協会
https://ethicaljapan.org/what_is_ethical
- ダイワハウスグループ
https://www.daiwahouse.com/sustainable/sustainable_journey/topics/ethical/
- NHK 未来への分岐点
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/P569N4NY6G/
- 日本貿易振興機構
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/02/2020e6e1a4099e98.html
- JA共済総合研究所
https://www.jkri.or.jp/PDF/2020/Rep170ishimaru.pdf
- The story of prastic
https://www.storyofstuff.org/movies/the-story-of-plastic-documentary-film/
- BBC news
https://www.facebook.com/groups/1670347559951686/permalink/3072111366441958/
筆者・挿絵 上野綾香