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約12億円の資金調達を終えたアペルザがVertical SaaSとして挑む製造業の変革とは

こんにちは!アペルザのコミュニティマネージャーをしています、松本(社内での呼び名は「まつも」)です。

※アペルザがはじめまして!な方へ。

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https://www.aperza.com/corp/recruit/

先日、アペルザは約12億円の資金調達を実施したことをお知らせしました。

製造業向けインターネットサービス提供のアペルザ シリーズBラウンド総額約12億円の資金調達を完了
調達の目的と今後の展開 アペルザではこれまで「ものづくりの産業構造をリデザインする」というミッションのもと、メーカー横断で製品情報を検索できる製造業向けカタログポータル「アペルザ カタログ( https://www.aperza.com/catalog/)」や日本初となる製造業特化型オンラインマーケットプレイス「アペルザ eコマース( ...
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000014995.html


今回の記事では、リリースには書ききれなかったアペルザの考え方や、資金調達後にどのような事業成長を描いているのか。直接代表の石原から語ってもらったことを複数回に分けて投稿したいと思います!

石原 誠(Makoto Ishihara)
新卒で株式会社キーエンスに入社。東京営業所にてコンサルティングセールスに従事。
2001年より社内ベンチャープロジェクトとしてキーエンス初のインターネット事業「iPROS(イプロス)」の立ち上げに参画。執行役員として「サービス開発」「メディア運営」「経営企画」を担当。
2014年3月にイプロスを退職し、教育系(EduTech)スタートアップである株式会社ポリグロッツを創業。英語学習者向けiPhoneアプリをリリースし、2014年のAppleベストアプリに選出される。2014年9月に創業した株式会社エデュート(Edut)では、教育向けアプリ構築プラットフォームサービスをリリース。数々のビジネスコンテストで受賞を経験。
その後、株式会社クルーズを創業。2016年7月の株式会社FAナビ及びオートメ新聞株式会社との経営統合を期に株式会社アペルザの代表取締役社長に就任する。

石原が製造業にかける想い。

まつも:石原さん、長丁場になりますが今回はいろいろ聞かせてください!よろしくお願いいたします。わたしもリリースを読みましたが、投資家コメントから製造業という領域とITサービスの掛け合わせに大きな期待が寄せられているように感じました。

投資家の方々だけではなく、私自身もキャリアの多くを過ごしてきた製造業への思いは、並々ならぬものがあります。
語り始めたら、夜まで時間が必要だけど、大丈夫?(笑)

まつも:えーと、短めにまとめていただけると助かります!!

製造業は日本が世界に誇る素晴らしい産業だと思っています。
1つ目は「人」。私の生まれは愛知県。製造業の町で生まれ育ち、周囲には製造業で次々と新しい製品を生み出してきた人たちが沢山いました。ものを創ること、そして改善することに長けていて、それに情熱を注いでいた大人たちをずっと見てきたんです。
2つ目は「グローバル」。製造業の日本企業の中にはアメリカ人が「アメリカの会社だ」って勘違いしてしまうくらいグローバル社会に溶け込んでいる会社があります。そんな勘違いが他の産業で起こることはないんじゃないかな。それに、海外赴任は外資系企業の日本法人で働くよりも、海外に拠点を持っている製造業の企業の方が多かったり。長い歴史の中でグローバルで戦う下地が既に出来上がっている産業だと思います。
3つ目は「規模」。これだって他を凌駕するものがありますよね。アペルザが関わる生産財領域ですら国内だけで約24兆円という市場規模です。そして、この市場の中で世界における日本の存在感はまだまだ衰えていない。

これだけ多くの人が関わる、大規模かつ素晴らしい産業が日本にある。
いまはニュースなどで落ち目のように取り上げられることもあるけれど、実際に現場に足を運んで話を聞くと、今も世界に認められている素晴らしい技術は沢山あるし、危機感を持って「変わりたい」と思っている人たちも沢山いる。
だからこそ私たちは、ITという違った領域から新しいアプローチで業界に風を吹き込みたい。
そして今まで以上に製造業が伸び、「製造業で働くのが楽しい」と思われる、チャレンジできてワクワクする産業であってほしいと思っています。


アペルザクラウドで実現する未来。

まつも:ありがとうございます。その新しいアプローチというのがアペルザクラウドなんですね。

リリース文より引用

そうですね。一言で言うと製造業に特化した営業活動のためのクラウドサービス。といったところです。
これまでの3年間で、アペルザカタログ(アペルザが運営する製造業向けカタログポータルサイト)を通じて技術力のあるメーカーが新たな顧客と出会う機会を創ってきました。その過程で「製造業の営業は『顧客ときちんと関係を作って深く入り込みたい』という思考が強い。」ということを実感しました。アペルザカタログを通じて顧客と出会うだけでなく、顧客と密な関係構築をできるようにすることで、素晴らしい製品が使われるようになると考えています。
アペルザクラウドは今話した内容を実現し、さらに進化させるための起爆剤ですね。

まつも:「営業」×「クラウドサービス」という切り口は、既に新しいものではなくなっており、営業のクラウドを取り入れている企業も多い印象でしたが、なぜ製造業では未だ営業管理が進歩しないのでしょうか?

そういった声も聞きますが、実際に営業でクラウドサービスを活用できているのはIT業界など一部の領域に過ぎないと思います。
製造業特有の理由を挙げるなら、多段階の代理店や複雑な商流が存在しており、汎用的なCRM/SFAが簡単に浸透する環境にないことが要因ですね。これまで私自身が数多くのお客様にお会いしてきた中で、ほとんどのお客様は営業活動の効率化を求めていましたし、必要だと思えばCRM/SFAといったツールを導入してきたものの、結果定着させることができず、膨大な数の名刺が営業担当のデスクの引き出しの中に眠ったまま……という状況でした。

まつも:実際の製造業の現場では、CRM/SFAが導入されたとしても活用されるまでには至らないのが現状なのですね。アペルザはどのような考えでサービス開発に取り組んでいるのでしょうか?

私たちの開発しているアペルザクラウドも、「CRMやSFAのようなものですね」と言われることもありますが、全く別物を作るつもりで開発を行わないと製造業で必要とされるサービスは作れないと考えています。
ライバルは他のCRMやSFAではなく、FAXで注文をやりとりする慣習や、経験と勘に頼った営業手法かもしれません。
まず特殊で複雑なこの業界の営業を理解し、一つ一つのプロセスを分解し、ITの力で効率化できる部分を置き換えて、製造業の営業スタイルにあったユーザーファーストなサービスを丁寧かつスピーディーに作り上げていきたいと考えています。
お客様に本当に求められるサービスを提供して、深く信頼される関係を作っていきたいですね。

まつも:私も製造業の複雑な構造を勉強している最中ですが、効率化が難しい営業活動だからこそ、世の中から必要とされるサービスになり得る。そして、それが今回の資金調達でもポイントになったんですね。アペルザのサービスがお客様に使われるようになった先にはどんな未来があるのでしょうか?

マーケティングや営業活動を通じて蓄積された顧客の情報が次の活動に活かされていくようにしたいと思っています。顧客の情報とは例えば、顧客がウェブ上に掲載した製品カタログのどれに興味を持ったかや、マーケティング活動を通じて集めた顧客の行動履歴、営業が訪問時に見聞きした話や、アンケートを通じて集めたニーズ等です。
私が以前働いていたキーエンスでは、マーケティングや営業など様々な顧客接点から集めた情報を活用し、大きな売上をあげています。キーエンスは営業担当が優秀とよく言われますが、営業担当の活動を支える仕組み、特に顧客のデータを扱う仕組みも秀逸です。これは顧客との密な関係構築を必要とする製造業では特に重要な考え方です。
さらに、集めた顧客情報は営業だけではなく、製品改善や次世代の商品を作り出す上でも非常に貴重なデータとなるはずです。

こうした取り組みを通じて、我々が支援している中小企業が世界中の人々に自分たちの技術や製品を認知してもらえたらと思っています。アペルザが世界への発射台の役割を担っていく未来を実現できたら理想的です。

こうした未来を実現するためのサービスについては、これから具体的に作っていかなければいけない部分がたくさんあります。まさに今、社内では事業企画やプロダクトマネージャと日々議論している最中です。これらを共に作り上げていく仲間はまだ必要としていて、積極採用したいと考えています。

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採用情報 | 株式会社アペルザ
Aperza(アペルザ)は製造業の情報、取引、コミュニケーションをオープンしていくための、インターネットによるプラットフォーム構築に挑戦しています。 向上心を持っている、新しいチャレンジをしていきたい、そういった意欲を持った方はぜひ一緒に取り組んでいきましょう。
https://www.aperza.com/corp/recruit/

海外への展開に懸念はない。

まつも:リリースには海外展開に関するコメントも多くありました。海外へサービスを持ち込むことについてどう考えていますか?

お客様から必要とされるサービスを提供する過程で、海外展開はとても自然なことだと考えています。
アペルザを利用してくださるお客様は、かなりの比率で海外進出をしていて、海外売上比率が50%を超えている中小企業も数多くあります。
既に少なくないお客様から「アペルザを海外でも使えるようにしてほしい」という要望をいただいており、その期待には早いタイミングで応えたいと思っています。

まつも:もう少し具体的に突っ込ませてください!どのように海外へサービスを持っていくのでしょう?

もちろんいいですよ(笑)できる情報は可能な限りオープンにするのが我々のカルチャーですしね。
海外に展開する際に、日本が強い産業がフィールドであることは大きなアドバンテージだと思っています。先ほど「グローバル」について話した際に例に上げましたが、多くの日本企業は海外にも拠点を持っている。まずはこの人たちが取引をするためのツールとしてアペルザクラウドを使ってもらうことを考えています。
利用するのは現地の方だが、決裁をする現地のトップは日本人だし、商売の構造は大きく変わらないので使ってもらいやすいはずです。そこである程度シェアを固めて、現地の基盤を作ってからローカル企業への導入を進めたいというのが今の考えです。

まつも:よく理解できました!いろいろなことを聞かせていただきありがとうございました!

製造業は非常に大きな産業であるからこそ関係するステークホルダーが多く、営業活動も関係者が複雑に絡み合う構造となっています。この構造を中から変えることは非常に困難で、そこに我々の存在価値があります。
もちろん私たちがこれから取り組もうとしている「ものづくりの産業構造をリデザインする」という挑戦も、決して簡単なことではありませんが、だからこそやる意義があることだと考えています。

そのための第一歩であるアペルザクラウドもリリースも2019年4月のこと。この先まだまだ、やりたいことも山積みです(笑)

まつも:今回の話は石原さんが製造業への愛について語る尺が長めでしたからね(笑)
これから取り組みたいことやそのための組織について考えていることも、ぜひ聞かせてください!

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