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新規事業立ち上げ [前編] - きっかけはお客さんの声

当社アクルでは、決済業界における課題である不正利用、特に被害が大きいクレジットカード決済での不正を防止するソリューションを、自社開発し提供しています。

ようやく少しずつ、業界でも社名やサービス名が認知されるようになってきましたが、今回はいくつかあるソリューションのうちの一つ、不正検知・認証システム ASUKA の開発のきっかけや経緯などをご紹介します。


今年に入ってから新メンバーとして加わった山本が、代表の近藤と、プロダクトの責任者である栗田に質問してみました。

新規ビジネスの立ち上げ当時の経緯や、現在の社内の雰囲気などを感じ取ってもらえる内容になっています。

登場する人

近藤 / 代表取締役 CEO
栗田 / 取締役 CPO プロダクト責任者としてディレクションを担当。
山本 / 2020年3月より参画 セールス・マーケティング担当。前々職では栗田とは先輩・後輩の間柄。

新規事業プロジェクトが始まるまで

山本
まずは、この不正検知・認証システム ASUKA が、どういう課題をどのような形で解決してくれるソリューションなのか教えてください。

近藤
簡単にいうとチャージバック対策のツールで、クレジットカードの不正利用に困っているEC事業者、カード加盟店向けのツールですね。そこでの不正利用、チャージバックを減らしましょう、というツールです。

栗田
不正対策を講じたいけどいいものがなかった、という場合にフィットするツール。
例えば、3-Dセキュア* は追加パスワードを入力させるセキュリティツールだけど、真正なお客さんがパスワードを忘れてしまっていて決済できない、などネガティブな影響があって、導入を断念するケースが多い。

*カード会社が提供する、3-Dセキュア本人認証サービス。購入者(カードホルダー)が、購入時に予めカード会社に登録したパスワードを入力する、不正対策を目的とした本人認証システム。ただし、パスワードを忘れてしまってECサイトに問い合わせが増える、などの課題があり、業界全体での普及が限定的。

近藤
今までのチャージバック対策と言うと、3-Dセキュアや従来型の不正検知システムがあったり、アナログな加盟店側での目検チェックがあった。

山本
それ以外に別の選択肢は無かったんですか?

栗田
もちろん、アクルで提供してるチャージバック保証や保険に入る、という選択肢もあるね。根本的に不正を減らす対策ではなく、現状被害ゼロなサイトが、将来発生しうるリスク対策として、という位置づけになるけど。

近藤
従来あったソリューションでは解決しきれない領域があって、そこに対する不正対策、解決のアプローチがなかったので、ASUKAを開発するに至った、という感じかな。従来の不正対策ツールの課題を解決のがまさに”ASUKA”

栗田
3-DセキュアはECサイト利用者、エンドユーザーに優しくないよね。従来型の不正検知システムは導入するのに費用が高い、それから運用も大変。

ECサイトで被害に困っているのに対策できない、というハードルを無くして行きたかった感じだね。


▲増え続けるカード不正利用被害金額の増加の背景には、費用面も含めソリューションが少なく、各社が有効な対策を打つことができなかったことも一つの要因と言える。番号盗用がオンライン上での不正を示す。

ファーストクライアントの存在

山本
ASUKAの一番最初のお客さんってどこだったんですか?

栗田
エアプラさん。(補記:エアプラス株式会社)

3-Dセキュアも並行して導入することになったし、システム導入して不正利用者はブロックするようになったから、導入前・後で不正が減ったかどうかの数値は取れないけど、ログを見ると怪しいユーザーは減らせることができてたかな、確か。

山本
「なにか作ってよ」って言われて作った、というのはエアプラスさんだったんですね。

栗田
実際に手元にECサイトを持ってるわけでもないから、作ったは良いけど不正利用を止められない、効果ない、本当にこの仕組みで不正が防げるのかどうか。手探りの状況ではあったけど、何とか作り始めた。
実際にエアプラさんにベータ版を導入してもらった当初は、まだまだ認証システムの機能が中々今のように整備されていなかったりしてて。。

山本
結果としてエアプラスさんはASUKAを導入することになったので、提案段階でも反応は良かったんですか?

近藤
そこは、あまり記憶にない(笑)。
エアプラさんから作ってよって言われて最初に検討したのは、実は電話回線を使った本人認証の仕組みだったんだよね。そういったサービスを提供している会社とかからも話を聞いてはいたよね。

栗田
ありましたね。
ただ、そのサービスが従量課金だったから、アクルとしてサービス化したとしても、従量でコストが発生してしまう。
これを、従量課金がハードルになっていたエアプラさんに持って行っても結局導入してくれないよな、と思ったんだよね。それに、その電話回線を使った認証は、ユーザーに慣れないアクションを求める形になってしまい旅行商材をECで決済するシーンには馴染まないよなー、っていう感覚もあった。

▲どう写真を撮るか定まらずに右往左往

近藤
そもそも従来型の不正検知システムで旅行業界系にハマるものがなかった、特に費用面
旅行代理店は利益率が高いビジネスではないので、従来型の不正検知システムでの従量課金は、負担できなかったんだよね。

栗田
数万、数十万円の旅行商材を販売しても収益として手元に残るのは数百円とか数千円というビジネススキーム。チャージバックのリスク、高額なシステム導入費用を考えると、キツいよね・・。

近藤
ランニング費用だけでなく、システム連携、開発の所にも予算をかけられない、という状況だった。

あと、最大の課題だったのは、従来型の不正検知システムは、即時決済系*の加盟店にフィットするものが無かったんだよね。
ASUKAを開発する前、実は旅行系のカード加盟店に、他社システムなんかも紹介、提案してたんだけど、費用感や運用工数がネックで決まらなかった。
そこで従来型の課題が見えてきた。他の従来型の不正検知システムも、旅行業界では苦戦していた。

*即時決済:注文と同時に売上を確定しなければいけない商材。決済処理成功と同時に、サービスや役務を提供する。物販の場合、注文受付時に与信チェックのみ実施し、商品出荷時に売上計上するため、カード課金処理方法に相違がある。

栗田
大規模加盟店では、従来型の不正検知を導入しているところもあったんだけどね、航空会社とか。
その規模になれば、予算もかけてグローバルでも有名な、ハイエンドな検知システムを使えるけど。

山本
それ以外の旅行系の加盟店にはハマらなかったってことですか?

近藤
そう、ハマらなかった。そしてハマらなかった時の代替手段が無かった。従来型の不正検知の課題も分かっていたんだけどね。

例えばこの時、アクルがアプローチしていた加盟店が旅行系ではなく物販だったら、それらの課題は見えなかったかもしれない。
従来型の不正検知システムベンダーは苦戦している、ということがわかってたので、そこさえクリアしてしまえば何とか行けるんじゃないかって気がした。

現在の認証システムは栗田さんからアイディア。エンジニア側にこの認証システムの開発インパクトを確認したところ、別の方法よりも開発工数はライトだ、という回答があったので、それじゃそれで進めよう、という流れになった。

山本
そのアイディアのきっかけはあったんですか?

栗田
実は結構昔からアイディア自体は持ってたんだよね。チャージバック保証をやってた時から。

これも言ったらお客さんの声から、って感じなんだけど、不正利用の被害に遭った加盟店から話を聞いてみると、使われたカードが海外発行とか、プリペイドが、というケースが多かったから、じゃあ、それらの要素をうまく組み込むことで不正と被害を減らすことができるんじゃないか、ってぼんやりと考えてはいたんだよね。

確か、何年も前にこういうのあったら売れますかね、って渡辺さんに話したことがあって、「確かに、それはありかもね」って感じだったと思うんだけど、その時はプロダクト化するには至らなかったんだよね。

山本
怪しい人は認証しましょうというのは業界的にも盲点でイノベーションっぽい印象ですよね。

近藤
確かに、新しい取り組みであった。それがゆえに、効果検証にはそれなりに時間がかかった。
エアプラスさんにベータ版を提供し始めてから2年くらい、なんやかんやかかってるので。

栗田
ログを見ると、ベータ版のスタートは2017年7月になってますね。

近藤
そこからしばらく、エアプラスさんと一緒に検証をさせてもらっていた。先方では3Dセキュアを同時に導入したけど、怪しいユーザーからのアクセスは減少させることができていることがわかった。

チャージバック対策として効果が出ることがわかったので、2018年12月に『ASUKA for Travel』を正式ローンチした。

それを見てくれた国内の決済代行会社から問い合わせをもらって、さらに少し先の話にはなるけどホテル運営の加盟店とかも紹介してくれて。


早くも訪れるターニングポイント

山本
エアプラスさんさんの次に使ってもらったのはどこだったんですか?

栗田
2社目は、エボラさん。エアトリの。(補記:エアトリ社。旧株式会社エボラブルアジア)

実は、今でこそだけど、ここでの不正対策効果が今後のASUKAの業界からの評価を左右する、重要なポイントだったかと思ってます。

もともとASUKAは、イーコンさんと一緒にやっていこう、って言う方向性だったんだよね。(補記:イーコンさん=株式会社イーコンテクスト、決済代行会社)

ただ、最終的には先方グループとして、当初構想していた連携スキームを推進していくことは難しいという判断になっちゃった。まだ顧客ゼロのシステムだから当然だよね。
なので、まずはライトに紹介契約の形でASUKAをセールスしていくという話になってて。

そういう話の流れで、イーコンさんからエアトリさんが不正利用に困っています、という相談があったのがきっかけだね。不正利用者が集まってしまっていて、カード会社の中でも目立ってしまっていた、というのが当時の背景。

近藤
イーコンさんからもエアトリさんを紹介してもらった当時、すでに不正利用で炎上していて、裏側にいるアクワイアラーも注目するほど悩んでいた。
なので、エアトリサイトでローンチする時、効果が出なかったら・・・というプレッシャーはあったよね。

栗田
ですね、仮にエアトリさんでうまくいかずにこけてしまっていたら、カード会社をはじめ「ASUKAはたいしたことない」って思われちゃうのが怖かった。
なので、エボラさんにも足しげく訪問したりして、運用面についても色々口出しさせてもらった。(笑)

そういう意味でエアトリさんASUKA導入は、大きなターニングポイントだったのかもしれない。当時は必死だったから記憶がないけど。(笑)

運用面、チェック用のエクセルファイルを作って渡したりしてアドバイスもさせてもらって、向こうの社内でも不審な取引をリジェクト、キャンセルしてもらうことで、実際にエアトリサイト内での不正利用、チャージバックは減って行った。2019年の5月、6月くらいの話だったかな。

近藤
そこで効果、実績を出すことができたから、イーコンさんやその裏側にいるカード会社が少しずつ信頼してくれるようになった。

あとは、ようやく営業トークでも使えるケーススタディが生まれたよね。ようやく。
それまでは、テスト的にエアプラスさんに使ってもらっていたものの実績という実績は無くて。

それまでは、営業先で聞かれても、実績?まだありません、って言うしかなかった。(笑)

後編も引き続きご覧ください!

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