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シリーズ)IT業界の仕組み7

株式会社アイシス 代表取締役の政平です。
シリーズ)IT業界の仕組みの 続きです。


自社のアプリ開発に携わりたい。

そうした学生や初級エンジニアは多い。
実は私も若い頃に大手メーカーの情報システム部門に四年間ほどいたことがある。

ここでは、LINEや弥生会計などのように自社パッケージを作る会社ではなく、自社の営業支援システムや基幹システムを開発する情報システム部員(以下、情シス)の特徴を紹介したいと思う。

私が情シスで働いていて一番やりがいを感じたのは
ユーザー部門からの感謝の言葉を聞けたときだ。
比較的大きなシステムを、ユーザーと要件定義を繰り返し、時には泊まり込みの合宿をしてシステム案を取りまとめた。

設計、製造フェーズは毎日終電帰りで大変だった。
そんな夜遅くまで頑張る私の姿を見ていたユーザーの方々は、私がそこを去るとき、4~50人も集まり盛大なパーティーをしてくれた。
寄せ書きが何よりうれしかった。

思えば、あの時ほどユーザーに直接感謝されたことは後にも先にもない。

そう。
システム開発会社としてお客さんのシステムを受注して開発すると、
開発の協力はしてくれる人だが、やはり他社の人間として見られてしまう。
でも情シスであれば、同じ会社の立場として喜びが味わえるのだ。
もしそのシステムが売り上げをあげたり、大幅なコストダウンにつながれば、会社からも表彰されたりボーナスも多くなるだろう。
出世もするかもしれない。

大きなシステム開発であれば、ベンダーに発注する。
システムやユーザーの業務を一番知っているのは情シスだ。
だから、システム企画書を作成するなど、SIの要件定義ではなかなか経験できない分野を担当することができる。

こう書くと情シスが一番良いと思われるかもしれない。

だが、私は違う道を選んだ。

私は情シス(ユーザーの情報システム部門)で働くことは選ばなかった。

まず、その会社で出世はしにくい。
ユーザー企業であれば、やはり営業や人事がトップになりやすいだろう。
情シスから出世するのは困難、と予想する。
スタッフ部門であるため、声の大きい部署の意見に従わなければならない時もある。

また、ここでは伝えにくいが
同じ部署内の人とのやる気のギャップやコミュニケーションに苦労する、そんなこともある。
(別の機会で集まりでもあれば余すところなくお伝えする)

エンジニア目線で見ると、技術力の停滞
これが一番イタい。
大手企業の基幹システムは、数十年に一度しか刷新しない。
たいていは古いシステムと付き合わなければならず、日経コンピュータに載っているような最新技術にふれられないことのエンジニアとしての焦り
私の情シスの知り合いで転職理由が一番多いのが、この技術力の停滞だ。

これも会社によるが、他部署から異動してきた人はそもそも技術屋ではない。先輩も社内システムのことしか知らない。外の優秀なエンジニアは採用しにくい。技術情報は集まらず、新しい発想がでにくい。

何より忙しいのが情シス。
人は少ないのに、やることが多い。PC設定やトラブル、ネットワーク、システムの障害対応。。。当時、私は毎日終電まで働いていた。

~~~ まとめ ~~~
情シスのメリット
・ユーザーと喜びを共有
・自社システムの開発の自負
・企画、上流設計ができる
デメリット
・技術力の停滞
・出世がしにくい
・その他、諸々
~~~~~~~~~~~~

私が思うに情シスはとてもやりがいのある仕事だ。
ただデメリットも多い。
あなたはIT業界で何をしたいのか?
これを明確にしなければ転職するはめになるだろう

※就活している方へアドバイス
私は情シスを選ばなかったが、前述のように素晴らしい経験もできた。
もし情シスを選びたい人は、よくよくその企業内の情シスの役割を聞いた方がよい。そして現在、情シスに配属されている人と面接でよく話してみること。
会社によって情シスの色は大きく異なる。

(「IT業界の仕組み その8」に続く)


ここでも語っていきますが
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note 政平秀樹
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