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農業求人サイト「あぐりナビ」誕生までの軌跡~創業ストーリー 特別編②~

2018年7月1日、農業ビジネスを多角展開するアグリメディアと、農業人材トップのアグリ・コミュニティが合併をしました。アグリ・コミュニティが農業人材サービス「あぐりナビ」を立ち上げ、一気に国内トップシェアまで駆け上がった軌跡や、合併して新アグリメディアとして再スタートを切るまでの経緯をご紹介します。

~前回までのあらすじ~
前職の、看護師の人材事業を手掛けるSMS社で出会った創業者の鍵と熊谷。本格的にビジネスモデルを検討していく為の準備を進める予定でしたが、突然鍵が海外へ・・・。

農業求人サイト「あぐりナビ」誕生までの軌跡~創業ストーリー 特別編①~ | 創業ストーリー
2018年7月1日、農業ビジネスを多角展開するアグリメディアと、農業人材トップのアグリ・コミュニティが合併をしました。本日はそこでアグリ・コミュニティの創業ヒストリーについてお伝えできればと思っ...
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本格的に事業を構想

鍵の退職決意をきっかけに、2人の「今後どうするか」という話は「2人でどの領域で起業するか」という具体的な話になっていきます。「(これまで圧倒的成果を出してきた)キャリア・人材事業で始めたほうがいい、という気持ちと同時に、キャリアではない他のことをやりたいという思いがあった」(鍵)と当時の心境を語ります。クレジットカードのサイト運営や保育士の人材事業、企業内保育に関する事業など、様々な事業を検討しました。

熊谷は地方暮らしに憧れがあり、地域活性につながる事業をしたいという思いがあり、一方の鍵は、自身でたくさん海外に行った経験の中でオーガニックな食に興味をもっていました。そんな思いがある中で、ふと「農業はどうか」と熊谷がワードを出します。2人の興味と一致する領域なのではと思い調べてみると「〝人材難〟で、2人の強みを発揮できる。しかも、土地や流通経路の問題もありマーケットがとても大きいのではないか」(熊谷)と考えます。そして目立ったプレイヤーもいないことから「じゃあこの領域で勝負しよう」と方向性を見出しました。「保育関係など検討した他の事業はキャリアの知見だけで何とかなりそうだが、農業はキャリア一本だけでは難しい。その難易度が高い業界にチャレンジしよう」(鍵)と農業分野で事業をスタートさせることが固まっていきます。

日本とイギリスで創業準備

事業の方向性が見えたところで、鍵はイギリスに飛び立ちます。その間、熊谷はSMSで働きながら会社設立の準備に励みます。「この期間の僕のゴールは、鍵が日本に帰ってきた時に、彼の仕事をつくっておくことだった」(熊谷)と話すように自身の仕事のかたわら、具体的事業の計画やサイト構築などの準備を行います。さらに週に一回はイギリスにいる鍵とSkypeでミーティングを行いました。事前の準備についてはほぼ熊谷が行い、設立時点で既に「あぐりナビ.com」が閲覧できる状態まで仕上がっていました。

そして、鍵が帰国したわずか3日後の2014年7月7日にアグリ・コミュニティを創業しました。「まさか帰国して3日目に会社ができているとは思わなかった」(鍵)

創業の地は広島。熊谷の家があったことと、当時は「地方創生を手掛ける会社が、地方にあってもいいのでは」という考えもありました。(その後、東京に本社をもつ優位性から本社を変更)

いきなりの軌道修正

会社の設立から2週間は広島で、改めて方向性の確認や体制整理をします。
前述したように、この時点で既に「あぐりナビ.com」は出来ていたのですが、実はこの時2人は「あぐりナビ」を〝農業ポータルサイト〟として運営していくつもりでした。人材事業だけでなく、販売の支援など「農家さんを何でもお助けします」という方向性でした。しかし、この2週間で農家に電話営業をかけてみると「サービス内容が伝わりづらく、こいつら何言ってるんだと思われたと思う」(熊谷)と、まったくアポイントがとれませんでした。

「これは・・・ないな」(鍵)と、事業スタートからわずか2週間の間にコンセプトを変更。人材事業に絞ることを決断し、サイトもポータルサイトから人材事業に特化した「あぐりナビ」に修正をしていきます。そのスピーディーな決断で人材事業に絞ったところから、一気に事業が加速します。広島での2週間を経て、鍵は京都で、熊谷は広島で営業活動をスタートしました。

不眠不休の営業スタート

まずは「あぐりナビ.com」に求人広告を掲載してもらえるよう、全国の農家への営業周りをスタートしました。鍵は京都から千葉まで行って、伊豆を回って京都に戻る。熊谷は、北海道6泊7日で3500キロ走って、疲れ果てて信号無視で捕まる。休みも無く、毎日朝4時起きで営業に回るというハードな日々でしたが「辛かったが、(SMS時代の)雇われていた時とは全く違う感覚」(鍵)でした。

当時は、とにかく無料でもいいので競合サイトに農家の求人件数で追いつくことを目標にしました。その数さえ追いつければ、売り上げは後からついてくるという構造を理解していました。

そんな中で、初めて群馬県の樋口農園さんから1カ月の掲載依頼(有料)が来た時には「申し込み用紙が間違って送られてきたのかと思った」(鍵)と笑いながら振り返ります。思わず2人でガッツポーズをした瞬間でした。

この営業活動をスタートしたあたりで、SMS時代の後輩であるメンバーが加わり、営業先のリストアップなどに力を貸してくれました。「当時システムを導入するお金もなく、エクセルのファイルがめちゃくちゃ重たくなった」(熊谷)と笑います。

営業活動は「農家を直接訪問して、農家のニーズをしっかりと聞く」というスタンスを取っていました。「農業の分野で人材ビジネスをやろうと思ったら、まずは農家さんが人材ビジネスとは何かを理解しなくてはいけない。僕らが伝道師になるようなイメージ」(鍵)。競合企業は、アポイントを取って現地を訪問するという大変さに負けて、全国規模で現場を回っている企業はほとんどありませんでした。「僕らはSMS時代で慣れっこだった」(鍵)と、苦にしませんでした。しっかりと現地で農家さんに「人材とは」を理解してもらえれば、ニーズは顕在化していたので「じゃあ試してみようかな」となり、徐々に実績を重ねていきます。創業から半年でゆうに100件以上の農家をそれぞれ回りました。


次回は、軌道に乗り始めたビジネス。初年度から「絶対黒字」を掲げ、利益に追及したお話と、更なるステージに入る為、アグリメディアとの合併を決意した経緯などをお伝えできればと思います。

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