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激白!ぼくらがデザイナーであり続ける理由|吉竹遼×割石裕太×永井大輔×遠藤由依 #なんデザ

今、デザイナーの働き方は転換期を迎えています。

従来通りのクライアントワークを手がけるだけではなく、自ら企業に課題解決の方法としてのクリエイティブを提案したり、インハウスデザイナーとして自社の経営にコミットしたり……それは、単に役割が増えているというだけではなく、デザイナーのまなざしや能力そのものが世の中から必要とされていることを意味しているといえるでしょう。

しかし、現場はどうでしょうか?特に若手デザイナーは、目の前の仕事に追われ、ときには自身のデザイナーとしての存在価値やキャリアを見失ってしまうことも……。

「デザイナーとして働く」という道をもっともっと明るく照らしたい。

そんな想いで「なんデザ実行委員会」が企画したのが、トークイベント「なんでデザイナーやってるの?(通称:なんデザ)」です。記念すべき第一回は、弊社サポートのもと現役デザイナー4名を招いて開催。第一線で活躍する彼らから、数多くの赤裸々かつ生々しいエピソードが語られました。

<登壇者>

吉竹 遼 よりデザイン / デザイナー
割石 裕太 OH / アートディレクター・デザイナー
永井 大輔 DONGURI / デザイナー
遠藤 由依 アドウェイズ / クリエイティブディビジョン ゼネラルマネージャー


デザインは、自分らしくいるための手段のひとつ(吉竹)

前提として、これからお話しすることは今日(2018/9/28)時点で僕が考えていること。明日になったら変わっている可能性もゼロではありません。そこを念頭に置いておいてください。

今回のテーマである「なんでデザイナーやってるの?」は、3つの段階に分解されると思っています。具体的には「なぜデザイナーになろうと思ったのか」「なぜデザイナーになれたのか」という過去の段階、次に「なぜデザイナーを辞めていないのか」「なぜデザイナーを続けているのか」という現在と未来の段階。今回は「なぜデザイナーを続けているのか」に焦点を当ててお話ししたいと思います。

なぜデザイナーを続けているのかと言うと、デザイナーの「職業」と「職能」が影響していると思っています。特に職能、デザインすることは自分にとって「世界と自分をつないでくれるもの」なんですよね。もちろん人によって異なりますが、僕の場合はデザインが一番心地よくてしっくりくる。それがデザイナーを続けている理由のひとつだと思います。

そして、最近は「そもそも自分はデザイナーなのか」を考えるようになりました。デザイナーになりたての頃って、認められた気がして嬉しかったし、デザインの仕事をしている自分にアイデンティティが依存していたと思います。

でも、ここ1〜2年「デザインする自分」は自分に付随するもののひとつだと捉えるようになってきていて。別の言い方をすると、中心に自分がいて、「文章を書く自分」や「写真を撮る自分」と同じレイヤーで「デザインする自分」が付随しているイメージです。要は、デザイナーとして働くよりも自分らしくいられることの方が重要になってきているんです。

先日ロシア・アヴァンギャルドについて学ぶ機会があったんですが、彼らって「デザインをしたいからデザインする」というよりも、自分の思想や考え方を世の中に問うていくための手段の1つにデザインを選んでいたと思うんです。もちろん当時とは時代背景が違うけど、「自分らしくやれているか」を考えてみると自分なりのデザイナー像が見えてくるのではないでしょうか。


デザインが存在価値をもたらしてくれた(割石)


僕は、面白法人カヤック、フリマアプリ "フリル" の Fablicを経て独立しました。今はベンチャーキャピタルの "Apricot Ventures" や、日本酒ブランド "SAKE100" のCIからUIデザイン、プロダクトデザインなど幅広く手がけています。今回は、誰かの為になるかどうかとか意識せず、「なんでデザイナーやってるの?」という問いに素直に向き合って見つけた3つの理由についてお話しします。

1つ目は、デザインに自分の存在価値を見出したから。もともとつくることが好きで、10代の頃からよくイラストを描いていました。高校2年生のときにイラストで最優秀賞をもらえたのが、自分にとっての最初の成功体験。自分の創作活動が世の中に認められた気がして、つくることにのめり込んでいったのを覚えています。

ただ、大学進学のため画塾に通うなかで、何がゴールなのかわからなくなり、つくる目的を失い、挫折を味わいます。結果、志望校には落ち、デザイン学科の大学に進みます。ここでの「目的とゴール」が存在するデザインとの出会いがターニングポイントでした。つくることを諦めかけた人間に「つくる目的とゴール」という存在価値を与えてくれたのがデザインでした。

2つ目は、幸せだと感じられる瞬間があるから。デザイナーのなかにはつくることが好きで好きでたまらないという人たちがいます。特にカヤックにはそういう人たちがとても多くて、かつ優れていた。でも、僕はつくる行為自体が好きかと言われるとそうでもなかったんです。知識や能力は経験で得られたとしてもマインドまではカバーできない。そういう意味では最近まで自己肯定できずに苦しんでいました。

そんな中で幸せを感じられた仕事に、カルディの農場 "CAMEL FARM" のCIデザインがあります。当初はWEB・映像のクリエイティブディレクションの案件だったのですが、手を入れるべきはブランド自体のあり方だと考え、社長にサプライズでリニューアル案をぶつけたんです。そこで「今日からこのロゴでいこう」と意思決定してくださり、オリジナルジャケットやワイン樽へのプリントなど、サプライズで返してくださった。この時は本当に嬉しく、自分が向き合うべき相手に認めてもらえる幸せを肌に感じました。

3つ目は、明日に残り続けるものをつくりたいから。元々UIデザインを志していたのは、ユーザーの体験を結果的に左右するのはUIだからです。しかし、UIは変化していくべきもの。注力するのであれば、変わることのない芯の部分から関わりたいと思い、今はCI・VIデザインに特化しています。僕は、アウトプットは、全て血を分けた子どものように思っています。だからこそ、長く元気に生き続けるものにしたい。それが僕が今もデザインを続けている目的ですね。


「嫉妬」がデザインの原動力(永井)

10代の頃から、絵を描いたり、曲をつくったりしていました。ニコ動にボーカロイドをアップしたこともあったんですが、再生数が全然伸びなくて(笑)。受け入れられないと自分自身を否定されたような気がするので、アートはやめよう、と。そこでWebデザインの学校に入りました。Webデザインなら、割り切ってやれそうだったので。

ところが実際の現場では思うようにいかなくて……短納期だったり、フィードバックが辛辣だったりすると心も体も辛くなってくるんですよね。

では、どう乗り越えたか。キーワードが「嫉妬」です。僕はクオリティーの高いデザインを目の当たりにすると羨ましいし、それをつくったデザイナーがいれば妬ましいんです。どうすればこの気持ちをクリアできるかを考えたんですが、やっぱりデザインするしかなかったんですよね。僕にとって「嫉妬」とは、マイナスの感情をゼロに戻すプロセス。ネガティブな感情があるからこそデザインができるんです。『情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方(オーム社)』という書籍に「一番の下手くそでいよう」という言葉があるんですが、これも組織で一番下手でいることでフラストレーションを抱え続けていれば成長できるかもしれないというメッセージだと思います。「嫉妬」という言葉はもしかしたら印象はよくないかもしれませんが、僕にとっては紛れもなく原動力なのです。

未来の話もさせてください。デザイナーのキャリアは大きく分けて2つあると思っています。ひとつはインハウス。もうひとつはクライアントワークです。実は僕、クライアントワークしかできないんです。クライアントワークは窮屈だというデザイナーもいるかもしれないけれど、僕は依頼されて予算や法律といった制限が与えられて初めてアイデアが湧いてくるタイプ。だから、我ながらクライアントワークに向いていると思います。それに、普通に生活していたら出会うことのない企業のWebサイトに関わることもできますしね。

とはいえ、冒頭でお伝えしたように絵や音楽にも少なからず未練があるので、今の自分のスキルを業界に還元していきたいと思っています。最近でも漫画やアニメといった憧れの業界の企業に、自ら企画書をつくって提案したら携わることができました。そういう意味でもデザイナーという仕事を選んでよかったと思いますし、自分のデザイナーとしての存在意義だといえるのではないでしょうか。


自分を未完成だと認めたら世界が変わった(遠藤)

私は、2010年にアドウェイズへ入社しました。現在は、クリエイティブディビジョンのマネジメントも手がけています。実は、営業で入社し、デザイナーにキャリアチェンジ。さらに2017年に8ヶ月ほどUXカンパニーのグッドパッチでデザイナー修行をしているという我ながら珍しい経歴の持ち主です。

学生時代から女性クリエイターに憧れていて、デザイナーとして採用してもらえるところを探していました。ただ、デザイン経験がなかったので全然うまくいかなくて……「デザイナーよりも営業の方が向いているんじゃないか」と言われて入社したのが、アドウェイズです。2年間営業として働いた後、デザイナーにジョブチェンジしました。

ただ、学生時代に夢描いていたデザイナーのイメージとは全く違いましたね(笑)。キラキラした広告の仕事は少なくて…。そもそも同期のデザイナーには遅れをとっているし、htmlコーディングは苦手だし……で、「なんで私はデザイナーになりたかったの?」って思ったほどです。同時に感じたのは、自分に「やりたいことがない」ということ。デザイナーに向いていないんじゃないかと思って、ふさぎ込んでしまったこともありました。

転機となったのは当時の上司のひと言。「やりたいことがある人は強いかもしれないけど、もしうまくいかなかったときは替えが効かない。やりたいことがないのは一見弱点だけど、依頼された仕事を数多く経験していけば、自分の得意分野が見つかることもあるし、評価もされやすくなる」と。ずっとコンプレックスだった「こだわりのなさ」が武器になると知って、ようやく自分を取り戻すことができました。

その後、デザイナーチームのマネージャーに挑戦しました。最初は5人ぐらいだったんですが、会社の成長とともに3年で80人ぐらいの組織に急拡大して。Webデザイン以外の業務も増え、同時に中途入社者も増加。すると再び壁が立ちはだかりました。私、Webデザイン以外の実務はわからないし、そもそもプロパーなので中途入社の人の気持ちもわからないんですよね。世間では「UXデザインが大事だ」って言われていましたが、恥ずかしながら理解できていませんでした。正直マネージャーとして失格だったと思います。

そんなとき、取締役がグッドパッチの土屋さんと仲が良かったので飲み会をセッティングしてくれたんです。そこで私を指して「うちのデザイナーを弟子入りさせてくれ」って。最初は冗談かと思ったんですが、土屋さんは「ええんちゃう」と。その時はビックリしたのですがアドウェイズとグッドパッチが目指す共通の未来像があって、「 デザインと経営をつなげたい」という価値観が一緒だったんです。だから私たちの想いに深く汲んでくれたグッドバッチ側も快く受け入れてくれました。

この8ヶ月の経験は大きかったですね。本を読んで勉強することも大事だけど、実務やワークショップで体験する方が圧倒的に早いんです。

そんな私からお伝えしたいことは2つ。

1つは、自分が未完成だと認めることです。そうすれば挫折も受け入れられるし、恥ずかしさもなくなる。他人にも優しくなれるんです。もう1つは、未完成な自分をさらけ出すこと。それによって私はチャンスやヒントを手に入れてきました。完璧な人間なんていないんですから。

もちろんうまくいかないこともあります。でも、私は今が一番楽しいんです。そう私が言い続けることで、若いデザイナーも未来に希望を持てると思う。そう胸張って言えるように毎年「楽しい」を更新できるように意識しています。経験を積んだからこそ見える景色はあると思いますよ。


「情熱」って何だろう?

最後に、事前に参加者から寄せられた「仕事に情熱がなくなりました。どうすればいいのでしょう?」という質問に、モデレーターのミナベトモミさん(DONGURI)を交えて、それぞれが回答しました。

吉竹:
個人的に「情熱」とは、自分や周りが用意したフレームからちょっと逸脱することだと思います。たとえば勤務時間は8時間でも、おもしろければ残業することもありますよね。

ミナベ:
年齢を重ねると新しいことを始めるのが億劫になりますよね。

吉竹:
だから、僕は意識的にやっています。なるべく、自分を中心にして興味があることにチャレンジするようにして。今はUIデザインの教科書的な本の執筆を進めているのですが、それも興味があることのひとつですね。

ミナベ:
割石さんはいかがでしょう?

割石:
前職でデザイナーのリーダーを勤めていた時、稀有な経験を積ませていただいた代わりに、新しいものをつくることがなくなって。周囲と比較して遅れをとっている気がして、デザイナーとしての自信を失っていました。結果、ぼくは独立をしたのですが、現状がつらいのであれば無理してそこに固執しなくていいと思うんです。自分がつらい状況にあるのに、人の幸せを願うことも、幸せにする体験のデザインもできないなと。

ミナベ:
外を見ると、勝手に強迫観念みたいなものを感じてしまいがちなのかもしれません。

割石:
「デザイナーこうあるべき論」がよく語られていますが、あれって「自分はそういう生き方をしてきた/そういう人材が欲しい」くらいのものかなと。その人と働きたいのなら重要視すればいいかなくらいのもので、そうでないなら過度に気にしなくていいと思いますよ。

永井:
同意ですね。僕も以前の職場で、先輩たちが一斉に退職してしまって、知識も能力もない僕の評価が相対的に上がっていったことがあったんです。それじゃ嫉妬もできないじゃないですか(笑)。ストイックに働くという意味でも環境を変えるのはアリだと思います。

ミナベ:
遠藤さんだったらどうしますか?

遠藤:
私、ピンチになると燃えるタイプなんですよ。だからそういう場所にあえて飛び込んでいくところはあるかもしれません(笑)。なので、人を助けるという気持ちから情熱が湧いてくるのかもしれません。

現役デザイナー4名を招いてお送りした「なんデザ」。

彼らの言葉が正解とは限りません。しかし、今後デザイナーとしてのキャリアを歩んでいくと彼らと同じような悩みに直面する可能性もあります。そんなときは、ぜひ彼らの言葉を思い出してください。きっとあなたの背中を優しく押してくれるから。

【企画・運営】なんデザ実行委員会
ミナベトモミ(@tomomiminabe)/DONGURI
渡邊 浩樹(@watanabeeeeee)/Connective
吉竹 遼(@ryo_pan)/よりデザイン

~~~~~完~~~~~

今ではインターネット広告では欠かせない存在になっている「デザイン」。

そんなデザインを手掛ける「デザイナー」としての貴重なイベントを企画して頂いたなんデザ委員会の皆様、有難う御座いました!

アドウェイズでは、今回登壇した遠藤が在籍しているクリエイティブディビジョンにおいて、デザイナー、ディレクターの中途採用を積極的に行っています。

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ご興味がある方、ご連絡お待ちしております!

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