対流 〜上下がないプロセスへ〜
いわゆる開発や実装などのプロジェクトに参加するときに、いつも気になることがあります。
それは「上流工程」という言葉です。
つまり、「上流」があれば、「下流」があるということです。
物事を考え企画することが「上流」だとして
デザインしたりプログラミングすることが「下流」だとする。
この上下という関係性が非常にひっかかります。
「オーダーの方向」「貰うべき対価」
すべてが上下という関係性で表されているような気がします。
しかしながら、
その「下流」が存在しなければ、サービスを具現化できずユーザに提供できない。
形を作り出す人がいなければ、どんな素晴らしい企画も絵に描いた餅になります。
形を作り出す人は、納期に追われながら、時には当初の仕様や予算の枠組に縛られる中、
できうる限りの想像力と能力をそのサービスに注ぎ込みます。
そのような人をサービスを企画する側としてはリスペクトしなくてはいけないと
強く私は思います。
「工程は上流・下流という区分けではなくて、対流であるべきだと」
一方向の流れだとその流れに抗して動こうとする力をそぎますし、
時には大切なことが沈殿してしまうかもしれません。
例えば、常に水が激しく動いく「対流」では、いつも活発な動きがあり緊張感があります。
「対流」は新しく何かが生まれる環境を端的に表すともいえるでしょう。
最近のアジャイル開発やPDCAサイクル、そしてDevOpsの流れなど循環するプロセスが
重視されているのも、意図的に「対流」を作り出すためかもしれません。
流れに身を任せるのでなく、自ら流れを作り出し組織を活性化する人が
これからのプロジェクトには必要になってくると思います。
弊社もフラットな組織で、プロマネやディレクタという概念がない新しい流れのプロジェクト
運営を行っています。
そこに「対流」はあるのか、滞留していないのか日々問いかけ続けています。